漢方薬的な業務改善、たとえば決算早期化

【漢方薬的な業務改善、たとえば決算早期化】

病気の治療で、西洋医学的なアプローチと東洋医学（漢方）的アプローチがあります。

西洋医学は、病気の箇所に直接効果のある薬の投与や、手術をして病気を治そうとします。

しかしながら、病気となる原因がそのままだと、根本治療をしない限り、また同様の症状が出たりします。

一方、漢方薬の投与等の東洋医学は、まだ十分にメカニズムが解明されていない領域もあるようですが、徐々に身体自体を良好な状態に改善していくので、良くなると、なかなかその症状が発生しにくくなるようです。

ビジネスでも、いろいろな経営課題が発生します。

解決を急がなければいけない緊急の問題もあるでしょうし、製造現場での品質向上のように、改善の取り組み繰り返していきながら、地力が上がって解決するような課題もあるかと思います。

財務経理の領域では、最近の決算を早く締めて開示を行うトレンドから、決算早期化に取り組む企業が多いです。

ここで、何か時間がかかっている業務を、頑張って5日を3日に短縮することで解決を図るということがあります。

担当者も、決算早期化の必要性を認識していて、やる気が盛り上がっている間は、達成できます。

しかし、対症療法的、西洋医学的アプローチでこれを行うと、決算の忙しい時期に限って、だれかが風邪をひいて休むといった例外的なことが起こります。

すると、熱が冷めるように、ずるずると元に戻ってしまうことが見受けられます。

実は、病気の原因は、解消されていなかったんですね。

根本的な治療がなされていなかった。

一方、筆者が薦めるアプローチは、「遅い業務を早くする」のではなく、「遅くなっている原因をつきとめ、その原因を解決する」というやり方です。

これは、時間がかかるのですが、その問題を明確にして、経理部門だけではなく、営業や生産、物流といった他部門とも共有をして、解決を図る。

これができると、元に戻って、遅くなる要素がなくなります。

根本的治療を辛抱強くやり続けること。

内部統制の改善や、決算情報の品質向上等、CFOが担当する領域で、このアプローチが活用できるところはたくさんあります。

まさに「良薬は口に苦し」ですね！

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